2014年12月の税務ニュース
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個人住民税の課税の仕組み
年末調整の準備や、確定申告が気になる季節となりました。個人の住民税の計算方法は所得税とよく似ていますが、均等割や所得控除など異なる点もあります。今回は住民税の仕組みについてご説明します。
1. 住民税の構造
2. 均等割
均等割は非課税とされる人を除き、すべての住民が等しく負担します。東日本大震災からの復興を図ることを目的として、以下のとおり平成26年度から35年度までの間は臨時の措置が講じられています。
均等割の区分 | 均等割額 | |
右期間以外 | 平成26年度から35年度まで | |
道府県民税及び都民税 | 1,000円 | 1,500円 |
市町村民税及び特別区民税 | 3,000円 | 3,500円 |
合計 | 4,000円 | 5,000円 |
3. 所得割
所得割は、退職所得を除き、前年の所得を基礎(課税標準)として課税されます。計算の過程は所得税とよく似ており、以下のとおりとなります。
4. 所得控除
個人住民税の所得控除の額は、社会保険料控除など一部を除き、所得税より低いものとなっています。
所得控除の区分 | 個人住民税 | 所得税 |
基礎控除・配偶者控除・扶養控除 | それぞれ33万円 | それぞれ38万円 |
障害者控除(同居特別障害者の場合) | 26万円(53万円) | 27万円(75万円) |
生命保険料控除 | 最大7万円 | 最大12万円 |
地震保険料控除 | 最大2.5万円 | 最大5万円 |
医療費控除・社会保険料控除・小規模共済掛金控除・雑損控除 | 原則として同額 | |
寄付金控除 | なし | あり |
5. 非課税
所得の低い人など一定の条件にあてはまる人に対しては、非課税の規定が設けられています。