2015年03月の税務ニュース
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空家等対策の推進に関する特別措置法
2014年11月27日に交付された「空き家等対策の推進に関する特別措置法」が2月26日に施行されました。近年、適切な管理が行われていない空き家が放置されることによって、火災の発生や建物の倒壊、衛生面等で地域住民の生活環境に影響を及ぼしており、空き家の除去・適正管理をすすめるために措置法の導入が決定しました。
これにより空き家の所有者・管理者は、地域住民の生活環境を守るために、適切に管理するように務めなければいけません(努力義務)。この措置法による市町村の立ち入り調査、「特定空き家」に対する指導・勧告・命令・代行執行・過料の規定は、5月26日施行となります。
『特定空き家』とは下記に該当する建物等をいいます。
- 倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
- 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
- 適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態
- その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
■立ち入り調査
市町村長は、市町村の職員や委任した者に、空き家と認められる場所への立ち入り調査をさせることができるようになりました。この場合の空き家とは、1年間使用のない建物を言います。ただし、特定空き家の所有者・管理者に、除去・修繕などの措置を助言・指導等するのに必要な限度においてとの制限が設けられています。
■空き家の所有者・管理者の情報利用
空き家の持ち主の情報を得るために、固定資産税の課税目的で保有する情報を利用することが認められました。さらに、関係する地方公共団体に対しても、情報提供を求めることができるようになりました。
■特定空き家に対する措置
市町村長は、特定空き家の所有者・管理者に対して、「除却、修繕、立木竹の伐採その周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置」を助言、指導、勧告、命令することができるようになりました。措置命令が出ると、空き家に標識が立てられます。また、所有者・管理者が命令に従わない場合は、代行執行が行われます。
■税制上の措置
2015年1月17日に閣議決定された『平成27年度税制改正の大綱』では、特定空き家に対する固定資産税の住宅用地特例の廃止が明記されています。これにより固定資産税の課税標準が最大更地の1/6となっていたものが、建物が建っていたとしても更地と同等の評価となります。2016年度より実施予定です。