2016年05月の税務ニュース
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減価償却の変更点について
1.減価償却費制度について
以前より建物については、償却方法が定額法とされていましたが、建物と一体的に整備される建物附属設備及び構築物の償却方法は、納税者が定額法か定率法のいずれかを届出により選択することができました。
平成28年4月1日以後に取得をする建物附属設備及び構築物ならびに鉱業用の建物の償却方法について、定率法が廃止され、以下の償却方法となります。
資産の区分 | 償却方法 |
建物附属設備及び構築物(鉱業用のこれらの資産を除く) | 定額法 |
鉱業用減価償却資産(建物、建物附属設備及び構築物に限る) | 定額法または生産高比例法 |
(注1) リース期間定額法、取替法等は存置する
資本的支出の特例
現行法令でもある既存資産への資本的支出の特例は、今回の改正後は下記のように適用されます。
- 平成19年3月31日以前に取得された旧定額法又は旧定率法を適用している既存資産に資本的支出を行った場合、それが平成28年4月1日以後に行われたものであっても、既存の建物附属設備等の取得価額に資本的支出の金額を加算して、一体として旧償却方法で償却することができる。
- 平成19年4月1日以後に取得し、定率法を適用している既存資産に資本的支出を行った場合、それが平成28年3月31日までに行われており定率法を適用しているときは、平成28年4月1日以後開始事業年度において既存資産と合算して償却することができる。
2.生産性向上設備投資促進税制の見直し(平成26年度改正で創設)
生産性向上設備等を取得した場合の特別償却または税額控除制度(生産性向上設備投資税制)は、適用期限である平成29年3月31日をもって廃止されます。また、普通償却限度額との合計でその取得価額までの特別償却ができる措置(即時償却)及び税額控除率の上乗せ措置については、平成28年3月31日をもって廃止され、即時償却は50%または25%の特別償却へ、税額控除は4%または2%へ縮減されます。
3.中小企業者等の少額減価償却資産の
取得価額の損金算入の特例の見直し・延長
中小企業者が30万円未満の減価償却資産を取得した場合、当該減価償却資産の合計額の300万円を限度として、全額損金算入(即時償却)できる措置の適用期限が平成28年3月31日まででしたが、2年延長され平成30年3月31日となりました。適用対象者から、常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人は除外されます。