2012年08月の税務ニュース
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交際費等とその類似費用との区分について(その2)
交際費は税務申告の際にその支出の一部または全部を経費から除外しなければならないため、支出した費用が交際費に該当するかどうか判断する必要があります。
今月も引き続き、交際費に該当するのかどうか悩みそうな支出について個別に紹介したいと思います。
(1)カレンダー、手帳等の物品を贈与するための費用
広告宣伝のために多数の人に配布する物品で金銭的にも少額であるものについては、交際費等には該当せず、広告宣伝費などで処理をします。
具体的には、ティッシュペーパー、メモ帳、手帳、ボールペン、カレンダー、うちわなどがありますが、広告宣伝効果を意図したものですから、その物品には自社の会社名や商品名の印刷等がされていなければなりません。
また、上記の物品であっても、高額なものについては、“少額”ではないため、交際費等に該当することになります。
(2)従業員のレクリエーション費用
従業員の慰安や親睦を図るために行われる新年会、忘年会、運動会、旅行などのレクリエーション費用は、交際費等には該当せず、福利厚生費となります。
しかし、一部の役員だけを対象にした新年会、忘年会、慰安旅行などについては、レクリエーション費用に該当せず、幹部だけの親睦を目的としたものとして交際費等に該当することになります。
(3)各種式典の費用
創立記念日や、新社屋落成などの式典を社内の役員や従業員だけで行った場合の飲食費は、福利厚生費に該当します。
しかし、取引先など外部の人を招待して行った場合には、招待客のために直接要した宴会費、交通費及び記念品代のほか、式典に要する費用(落成式等の式典の“祭事”のために通常要する費用は除く)も交際費等に該当することになります。
(4)役員及び従業員の慶弔見舞金
役員及び従業員の慶弔などに際し、一定の基準により支給される金品に要する費用は、福利厚生費に該当します。また、既に退職した役員及び従業員に対する慶弔費についても、福利厚生費としてよいこととされています。