2013年07月の税務ニュース
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平成25年度税制改正(その6)
平成25年度税制改正により、相続税の基礎控除額の縮減や相続税の税率のアップ(増税)が決定され、平成27年1月1日以降に亡くなられた方の相続税の申告から適用されることを以前にお知らせしましたが、その他にも相続税に関し小規模宅地の特例について以下のような改正がありました。
小規模宅地の特例の対象となる土地の面積の拡大(平成27年1月1日以降)
- 居住用宅地の特例の対象となる土地の面積の拡大
居住用として宅地の評価を8割減額できる面積が現行の240㎡から330㎡に拡大されます。
例えば、面積が400㎡で評価額が6,000万円の自宅の場合、現行では2,880万円の減額ですが、改正後は3,960万円の減額となり1,080万円相続財産の評価が下ることになります。 - 居住用宅地の特例と事業用宅地の特例の完全併用
居住用の宅地と事業用の宅地の両方がある場合に現行では、一定の調整計算により、両方合せて400㎡までしか減額の対象となりませんでした。改正後は居住用の宅地の330㎡と事業用の宅地の400㎡と合せて730㎡までが減額の対象となります。 - 二世帯住宅の親族の同居要件の取扱い
多くの二世帯住宅がお互いのプライバシーを尊重するため、玄関が別々で、お互いの玄関を通じてしか行き来できないような構造になっているようですが、このような構造の場合、現行では「被相続人と同居していた」とは認められないとされていました。今回の改正では内部で行き来できるか否かにかかわらず、同居しているものとして、特例の対象になることが明確化されました(ただし、区分所有の場合には被相続人の自宅部分しか対象になりません)。 - 老人ホームに入所した場合の取扱い
現行は自宅を離れて老人ホームに入居した場合、次の要件のすべてを満たさなければ居住用宅地に該当しないこととされていましたが、改正で①②の二つの要件を満たせば、居住用宅地の特例の適用が認められることになります。- 被相続人に介護が必要なため入所したものであること。
- 居住しなくなった家屋が貸付けなどの用途に供されていないこと。
- 自宅がいつ戻っても生活できる状態に管理されていること。
- 老人ホームの所有権や終身利用権を取得していないこと。