2013年08月の税務ニュース
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NISA(少額投資非課税制度)とは
平成26年から、上場株式等の配当や譲渡益に対する税率が、現行の軽減税率の10%(所得税7%住民税3%)の特例から本則の20%(所得税15%住民税5%)になります。そのため、今回の税制改正では、家計の安定的な資産形成を支援する等の観点から、最大500万円の上場株式や公募の株式投資信託等への非課税投資を可能とする日本版ISA「NISA」(非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置)が創設されたそうですが、使い勝手はいかがなものでしょうか。内容を見てみましょう。
NISAの概要
- 日本に住んでいる20歳以上の人が金融機関で非課税口座を開設して、その口座で国内上場株式や公募の株式投資信託等(以下「株式等」といいます)を売買した場合にその譲渡益や配当金等が非課税になる制度で、平成26年1月1日から開始されます。この非課税口座は、ひとりにつき1口座しか開設することはできません。
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非課税口座は平成26年(2014年)から平成35年(2023年)までの10年間、毎年100万円まで投資することができます。非課税となる期間は5年間です。平成26年に購入した株式等の場合、平成30年までに売却した譲渡益や受け取った配当金や分配金が非課税になります。
しかし5年の非課税期間が終了した時点で口座内にある株式等は、終了時点の時価で取得したことになるなどの税制上の取扱いがありますので注意が必要です。
NISAのメリットとデメリット
- メリット
- 非課税口座で購入した株式等は、いくら値上がりしても非課税期間(5年間)に売却すれば課税されません。
- 非課税口座で購入した株式等の非課税期間内に受け取る配当金や分配金は課税されません。
- デメリット
- 非課税口座で売却損や売却益が発生しても、その他の特定口座や一般口座の売却益や売却損と損益通算ができません。
- 非課税口座で売却損が発生しても、翌年以後に繰越すことができません。