2015年11月の税務ニュース
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源泉徴収について
講演会などを開催したときに講師に支払う講演料や、税理士などの特定の資格を持つ人に支払う報酬などに対しては、支払者が源泉徴収をして税務署に納付をしなければなりません。
今月は源泉徴収の対象となる報酬等で相談が多いものを紹介します。
源泉徴収義務者
法人や個人などで、居住者に対して国内において源泉徴収の対象となる報酬等の支払いをする者は源泉徴収義務者となります。
ただし、報酬等の支払者が個人の場合で、従業員や青色事業専従者がいないため給与の支払者ではないときなどは、ホステス等の報酬を除き、源泉徴収をする必要はありません。
個人に対して支払う報酬等で源泉徴収が必要なもの
- 講演料、原稿料や通訳料など
- 手話通訳の報酬については、翻訳、通訳の報酬のいずれにも該当しませんので源泉徴収の対象とはなりません。
- 税理士、弁護士、司法書士、社会保険労務士、土地家屋調査士、建築士、不動産鑑定士などの特定の資格を持つ人に支払う報酬等
- 社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
- 外交員(商品の販売等をするセールスマン等で給与所得者に該当しない者)などに支払う報酬等
注意点
- 車代や謝礼などの名目で支払いをする場合がありますが、その実態が報酬等と同じ場合は源泉徴収の対象となります。しかし、報酬等の支払者が交通機関やホテル等に対して通常必要な範囲の交通費や宿泊費を直接支払った場合には、報酬等に含めないで源泉徴収をしなくてもよいことになっています。
- 報酬等の支払いを受ける者が団体や研究会などの名称であり、個人か法人かが明らかでない場合には、その支払いを受ける者が、法人税を納める義務があること又は定款、規約等から団体として独立して存在していることを明らかにした場合は、法人として取り扱うため、支払った報酬等について源泉徴収の必要はありません。
- 報酬等の中に消費税が含まれている場合は、原則は消費税の額を含めた金額が源泉徴収の対象となります。ただし報酬等の額と消費税の額が明確に区分されている場合には、消費税の額を除いた報酬等の額のみを源泉徴収の対象とする金額としても差し支えありません。