2021年05月の税務ニュース
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在宅勤務に係る費用負担等について
新型コロナ感染拡大が続き在宅勤務も徐々に増えてはきているものの、業種によっては在宅勤務が難しいようですが、今回は企業・個人事業主が従業員に対して在宅勤務を行うことにより支給する手当等についての取り扱いを紹介したいと思います。
在宅勤務手当
在宅勤務に通常必要な費用について、その費用の実費相当額を精算する場合には課税関係は生じません。しかし従業員に対し一律に経費の補助として手当金等を支給した場合は、給与扱いとなり課税されます。
通勤費
- 在宅勤務により出社回数が減少した場合でも従前どおりの通勤手当を支給しても給与とはみなされません。
- 出社予定がないのに通勤手当を支給した場合は給与扱いされ課税されます。
- 実際に出社した分の交通費等を精算する場合には、当然のことながら課税されません。
事務用品費等
在宅勤務を開始するに当たって、従業員にパソコン等を支給した場合には、従業員に対する現物給与として課税されます。業務に使用しなくなったときは返却するという「貸与」の形であれば、給与とみなされません。
通信費
- 通話料については、通話明細書等により業務のための通話に係る料金が確認できるため、その金額を従業員に支給する場合には給与とはみなされません。
- 電話の基本使用料やインターネット接続に係る通信料については、業務使用部分を簡便的な方法により計算した金額を従業員に支給する場合には給与とはみなされません。
- 業務のための通話を頻繁に行う必要のある従業員の通話料については、①の通話明細書等による方法以外に、②と同様に簡便的な方法により計算した金額を従業員に支給することも可能です。
電気料金
自宅の電気料金(基本料金や電気使用料)については、「自宅の床面積」に占める「業務のために使用した部屋の床面積」等に基づき業務使用部分を計算した金額を従業員に支給した場合には給与とみなされません。なお、部屋の床面積がわからない場合には部屋の畳数から算出することも認められます。