2023年05月の税務ニュース
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遺言書について
近年、遺言書を作成する方が増えてきたこともあり、遺言書の制度について紹介させていただきます。
【1】遺言書の種類
遺言書には大きく分けて自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があります。
【2】自筆証書遺言
自筆証書遺言とは遺言者が遺言書全文(財産目録を除く)を自筆で書いて作成する遺言書のことです。次のようなメリット・デメリットがあります。
(1)メリット
①自分ひとりで手軽に作成でき、いつでも書き直しができる(日付が新しいものが有効となる)
②費用がかからない
③生前に遺言書の内容を知られることがない
(2)デメリット
①内容や形式に不備があり無効になる可能性がある
②遺言書の第一発見者は家庭裁判所の検認を受ける必要がある
③紛失や、発見されないというリスクがある
④遺言書の偽造や書換え、隠されたりするリスクがある
※③、④のリスクを回避できる「自筆証書遺言書保管制度」が令和2年(2020年)7月10日よりスタートしました。この制度は自筆証書遺言で作成された遺言書を法務局(遺言書保管所)で保管するもので、内容については次回ご紹介します。
【3】公正証書遺言
公正証書遺言とは公証役場で公証人と証人2人の立ち合いのもとで作成する遺言書のことです。次のようなメリット・デメリットがあります。
(1)メリット
①公証人が作成するため形式不備による無効となる可能性が低い
②家庭裁判所の検認が不要である
③公証役場で保管されるため偽造や書換え、紛失の心配がない
(2)デメリット
①証人が2人必要である
②公証役場への手数料がかかる(財産が多額であるほど手数料が高くなる)
③戸籍を取得したり、財産を裏付ける資料等を準備する必要がある
秘密証書遺言の説明等、続きは次回ご紹介します。