2023年09月の税務ニュース
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消費税のインボイス制度について(請求書の発行、保存)
令和5年10月1日から導入される適格請求書(いわゆるインボイス)等保存方式について、前回に引き続いて留意点等をご説明します。
(1)適格請求書の交付と保存について
<売手側>
売手である登録事業者は、買手である取引相手(課税事業者)から求められたときは、インボイスを交付しなければなりません(また、交付したインボイスの写しを保存しておく必要があります)。
<買手側>
買手は仕入税額控除の適用を受けるために、原則として、取引相手(売手)である登録事業者から交付を受けたインボイス※の保存等が必要となります。
※買手は、自らが作成した仕入明細書等のうち、一定の事項(インボイスに記載が必要な事項)が記載され取引相手の確認を受けたものを保存することで、仕入税額控除の適用を受けることもできます。
<保存期間について>
適格請求書を受け取った課税事業者が仕入税額控除を受ける場合には原則、個人か法人かにかかわらず、該当の請求書を『7年間』保存しなければいけません。
(2)適格請求書を交付することが困難な以下の取引は、交付義務が免除されるため、買い手側もインボイスの保存が不要となります。主な取引としては下記のようなものがあります。
① 公共交通機関である船舶、バス又は鉄道による旅客の運送
(3万円未満のものに限る)
② 出荷者等が卸売市場において行う生鮮食料品等の譲渡
(出荷者から委託を受けた受託者が卸売の業務として行うものに限る)
③ 生産者が農業協同組合、漁業協同組合又は森林組合等に委託して行う農林水産物の譲渡
(無条件委託方式かつ共同計算方式により生産者を特定せず行うものに限る)
④ 自動販売機・自動サービス機により行われる課税資産の譲渡等
(3万円未満のものに限る)
⑤郵便切手を対価とする郵便サービス
(郵便ポストに差し出されたものに限る)
(3)帳簿のみ保存の特例を適用する場合の帳簿記載事項等
上記のような適格請求書などの請求書等の交付を受けることが困難な取引は、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。その場合は、帳簿に下記の内容が記載されていることが必要です。
・課税仕入れの相手方の氏名又は名称 ・取引年月日
・取引内容(軽減税率対象の場合、その旨) ・対価の額
・課税仕入れの相手方の住所又は所在地 ・特例の対象となる旨
※公共交通機関特例の対象事業者等、国税庁長官が指定する者に係る者である場合は記載不要
適格請求書の交付義務が免除される取引の他、入場券等が回収されるもの、古物商や質屋等が仕入れる古物、質物等、従業員等に支給する出張旅費等が特例に該当します。